
スイカの栄養
スイカの成分の90%以上は水分です。豊富に含まれているカリウムなどとの相乗効果により、暑さをしのぎ、のどの渇きを潤します。成分の10%近くを占める糖分のうち果糖が最も多く、気温が高いと甘さが増します。果糖やブドウ糖はエネルギー転換が速やかなので、夏の炎暑で疲れた身体を癒すにはスイカを食べると即効性があります。
スイカには利尿作用を高める特殊なアミノ酸であるシトルリンが存在し、この利尿効果は、西瓜の皮の部分に多いので漢方では腎臓病からくるむくみには、すいかの皮を煎じて飲むとよいといわれています。
スイカの利尿作用は尿と一緒に余分な塩分(ナトリウム)を排泄することから、高血圧や動脈硬化、膀胱炎、腎炎にも効果があるといわれています。
スイカ果肉を絞り、5〜6時間煮詰めるとできる水飴状の”すいか糖”は、喉の痛みを軽減し、痰の出をよくします。
スイカの種子には、リノール酸やタンパク質、ビタミンB群やEが豊富に含まれています。すいかを食べるとき、種子を少し噛んで殻に傷をつけておくと、消化液が染み込んで消化されます。他にも種子には解熱作用があり、熱さましや、可食部と同じく尿の出をよくする効果があるといわれています。
このように、スイカはすごく栄養のある物なのです。
【育て方】(スイカの主な栽培管理作業)
家庭菜園でも人気のスイカは、発芽適温は25〜30℃、最低限界20℃なのでかなり高温を要する野菜です。また、スイカは連作を非常に嫌いますので、4〜5年は輪作し、同じ畑に植えないようにしてください。ただし、接木苗なら連作もOK。つるののばし方で、収穫の善し悪しが決まります。
- 15〜20節位に着果させ、卵ほどの大きさになったら1株あたり10gの化成肥料をツルの間に施します。着果後は消毒をし病虫害を防除します。小玉スイカで30〜35日、大玉で40日位で収穫となります。
- 果実は1株に3ヶを目安にしましょう。また果実が大きくなった頃「玉返し」といって果実を裏返すように置き直すと、果形か良くなり、皮の色むらもなくなります。
- 表面を軽くたたいて澄んだ音がするようになったら収穫期です。しかし収穫して2〜3日たってから食べた方が果肉が縮まり、甘みが増します。
- 確実に着果させるためには人工交配が必要。雄花を取り花びらを取って、花粉を雌花の柱頭につけてあげましょう。
【育て方のポイント】
- 連作をしない
- 植え付け後、スイカキャップをする
- 有機肥料を充分に施すこと
※ 畑は水はけの良い砂質の場所が最も適します。また暑く雨が少ない場所ほどよく育ちますが、逆に長雨が続いたり低温の気候では実のつき方が悪く、病虫害の発生も多くなります。
- 病害虫防除
炭そ病はすいかの大敵!雨のあと多発しやすいので、雨上がりの薬剤散布が効果的です。種まき
育苗は地温が25〜30℃で保てる温床で。1鉢に3〜4粒まいて、本葉1枚の頃までに1本を間引きします。約一月位にかけて本葉4〜5枚になったら定植します。
- 定植
定植の一週間以前に約1坪あたり300gの石灰を入れ20cm以上の深さに耕しておきます。肥料は1坪あたりたい肥6kg、油かす300g、化成肥料300g位を元肥とします。農業屋のスイカがおいしくなる肥料をおすすめしています。植え付けは、株間1m、うね間2.5〜3mで定植します。摘芯は本葉5枚位で。定植してから子ヅルが伸び出すまでスイカキャップや苗帽子をかけると良いでしょう。
- 肥培管理【果実の変形・品質の劣化を防ぐ為に・・・】
親株から出る子ツルは3〜5本に制限し、他の子ツルや孫ツルは着花するまで摘除します。
3本子ツルの場合は2個、4本子ツルの場合は3個、5本子ツルの場合は3〜4個に調整します。
子ツルの2番花か3番花に着果させます。
果実の大きさが10センチ程度になったら、敷わらの上へツルを上に正座させます。
収穫1週間前後には尻部まで着色させるため横にします。
- 収穫
スイカの成熟は受精からの積算温度が、800〜1,000℃必要とされています。
これは中大果種で45日前後、小果種で38〜40日といわれています。産地では1果毎に受粉日を付け、収穫日の目安としますが、環境によって微妙に変化するため、収穫前に試し切りをして、確認します。
スイカは収穫後の品質低下が早いことから、選別・箱詰め・出荷・輸送のスピードとともに、スイカ自体の重さから割れや押し傷等の発生も少なくないため、荷扱いの慎重さが要求されます。